この家に越してきて、初めて家族になった猫が「トマト」でした。
桐生から迎えた二匹の子猫

「直美とトマト」
ペットショップへ行ったとき、飼い主を探している猫の貼り紙を見つけ、猫を飼いたいと思っていた私たちは、桐生まで迎えに行くことにしました。
実際に会ってみると写真の子は少し大きくなっていて、飼い主の方が「その後生まれた子もいるんですよ、妹になります」といって活発な子猫を何匹も連れてきました。
2匹迎える
迷った末に、私たちは二匹連ともつれて帰ることにしました。
少し大きい猫に私がきめていた「直美」、小さい猫には「トマト」と娘が名付け、普段は「トマ」と呼んでいました。
「直美」という名前は、本当は我が家の秋田犬・隼人のお嫁さんにつけようと思っていた名前でしたが、その名前は猫の直美が受け継ぐことになったのです。
帰りの車の中では、さっそく二匹のバトルが始まりました。

仲良しだったトマトと直美。寒い日には寄り添って眠る姿が、わが家の日常の温かい風景でした。
トマトは落ち着いていて判断力があり、直美は内弁慶で少し怖がりな性格でした。
隣の家の猫
ある日、お隣の猫が家に入れてもらえず、長い時間鳴き続けていました。
トマと直美は、その猫を不思議そうにじっと見つめていました。
当時、お隣ではご主人が猫を、奥さんが小型犬を飼っていたようで、ご主人が留守の間は猫が家に入れてもらえないことがありました。
子猫達は「なんでおうちに入れてもらえないの?」と言いたげにただじっと見つめていました。
トマトの妊娠
やがて、8か月になったトマトに発情期が来ました。
外へ出さないよう気を付けていましたが、ある日、網戸を破って外へ出てしまい
直美はすでに避妊手術を受けていましたが、トマトは妊娠しました。
私たちは無事に出産できるよう産室を用意し、その日を待ちました。
初めての出産と子猫たち

初めての出産を終えたトマト。子猫たちに優しくお乳を飲ませる姿は、とても頼もしいお母さんでした。
いよいよ出産というとき、トマトは突然トイレへ駆け込み、そこで最初の子猫を産んでしまったのです。
慌てて産室へ移しました。その後三匹は無事に生まれ、最初にトイレで産んだ子は翌朝亡くなっているのを発見しました。
何が原因だったのかは分かりません。ただ、とても悲しい出来事でした。

【左から、トマト、直美、ヨータ、快斗】
愛情深かったトマト

トマトは少し目を離したり、少しでも子猫が鳴くと慌てて駆け戻ってくる母猫でした。
私たちがジーっと見ていると隠してしまうこともありました。
チョットでも鳴くと駆けつけるため、トマトはご飯をまともに食べられないほどでした。
その後産室にキャットフード備えてあげることにしました。
子猫との別れ
突然その日は訪れました。
二匹共欲しいと言う友達の家に、娘が連れて行ってしまったのです、
娘が「大切に育ててくれる人を早く探そう」と心配して動いてくれてたのです。
安心する娘とは反対に、夫は子猫との別れを寂しく思い、とてもがっかりしていました。
家族それぞれに違う思いがありました。
しばらく前に保護した快斗と雄猫のヨータだけが家に残りました。
トマトの哀しみ
けれど、トマㇳは子猫たちがいなくなったことを受け入れられなかったようです。
押し入れの中へ入り、何度も鳴きながら子猫を探していました。
見ていて本当にかわいそうでした。
ヨータがそばにいても、トマㇳの寂しさは埋まらなかったのでしょう。
6ヶ月になっても欲しがった。

【トマト、直美、ヨータ、快斗】
ヨータと快斗は生後6か月になっても、トマㇳのおっぱいを飲んでいました
いつまでも欲しがるのでトマㇳは最後は2匹に威嚇して辞めさせました。
トマト一家の家出
ある日、私たち夫婦が三日間家を空けたとき、娘が留守番をしていたにも関わらすトマㇳは2匹を連れて家出をしていまったのです。
しばらくしてトマトは何事もなかったかのように帰ってきました。またある日散歩から帰った犬の隼人に犬舎を明け渡すような威嚇をして隼人をこまらせました。

それでもあきらめるのではなく、犬小屋の屋根を自分の居場所にしてしまったのです。
トマトに似た子
後日、その里親さんから連絡をいただき、
「とても賢い猫ですよ。投げた物を持って来てくれるんです。」
その話を聞いたとき、私はトマトに似た子だな、と思いました。
トマトと猫じゃらし
トマトも、人が投げた物を取って来る、とても賢い猫だったからです。
外に生えているねこじゃらしを夫が投げると、
トマトは夢中で追いかけ、口にくわえて戻ってきました。
そんな遊びを何度も繰り返していました。
やがてトマトがお母さんになると、
庭に生えている猫じゃらしを自分で採ってきては、夫の前に置き、「投げて」と言うように見上げて催促するのです。
あのときは、自分が遊びたかったのではなく、「子猫たちと遊んであげて」と伝えていたようでした。
そんなところも、トマㇳらしかったと思います。
突然の別れ、今も忘れられないトマト

残念なことに、それから2年もしないうちに、トマトは帰ってこなくなりました。
トマトに何があったのか、今でも分かりません。
でも、桐生からやって来て、私たち家族と暮らし、子どもを育て、たくさんの思い出を残してくれたトマのことは、これからも忘れることはありません。
我が家で最初に暮らした、大切な家族でした
我が家で暮らした猫たちとの思い出は、今でも私の心の中で生き続けています。

そして現在は、外猫たちが時々我が家を訪ねてきます。
右側の猫は何年も前になりますが、気づいた時には家に入ってくつろいでいました。
ご飯を食べたり、庭でのんびりしたり、しばらくするとまた自分の居場所へ帰っていきます。その姿を見送るたびに、「今日も元気でよかった」と思います。
猫との縁は形を変えながら、今も静かに続いています。


コメント